「なぜならば、そこに山があるから」とは、良く言ったものである。
意味は違うが小生の生活圏の中に、山は無い。
だから、わざわざ山へ行くのである。
女房様などに「好きねぇ。」とか「どうして、わざわざ・・・」などと云われるが、好きなものはしようがないのである。
では、「どうして山が好きなの?」などと聞かれると、迷うことなくこう答える。
「歩いて行かなくては見れない景色を見るために。」
ホントだもん。
実はこれ、景色に限ったことではないのだ。
車などでは行けない場所へ、自分の足で、自分の意志でたどり着いた時、他では体験できないものが身体に染込んでくる…。
それが大好きなのである。
「花」でもいい。「鳥」でもいいし、「雲」でも「石」でもいいのだ。
ただそれは、大自然に培われたものでなくてはダメ。
天場は、区画されたオートキャンプ場と化し、湖沼にはブラックバスがはびこる。
不肖小生にとっては、嘆かわしい「アウトドア」なのである。
山と、自然と付き合う・・・
これをシンプルに考えると山登りにたどり着いてしまった訳である。
一の倉沢出合から岩壁を見て何故か涙し、ゼイゼイでたどり着いた乗鞍山頂から屏風のような北アを眺め、初めて、海外で信じられないスケールの氷河を見る・・・。
一生忘れることの出来ない風景である。
これは、奥多摩にも奥武蔵にもある。
どんなに小さな山でも、そこにしかないものが必ずある。
それを見つけに行きたいのだ。
こう云っても、解らない人には解らない。いくら言っても解らない。
そういう時は、こう言うことにしている。
「これが好きだからしょうがない!!」